2500ページを超えるGoogleの膨大な内部文書が流出し、SEO業界に激震が走っています。
この漏洩は単なる情報公開ではなく、Google検索のランキングシステムという、まさに検索エンジン界の秘密に踏み込んだ衝撃的な出来事なのです。
流出した文書には、14000以上の属性を含む、Google検索のAPIに関する詳細な情報が記載されています。
これにより、これまでGoogleが否定してきたSEOの検索アルゴリズムについて、本当は実在していたことが明らかになったのです。
この内容が真実なのであれば、今までGoogle社が発表していた公式見解は嘘ということに…。
本記事では、そんなGoogleの内部データ流出内容の要点と、公式見解との矛盾点についても指摘していきます。
【Google】内部データ流出内容一覧
流出した内容に関して、大きなトピックは以下の4つ。
- ドメインパワーなるものが存在する
- ブラウザ(Chrome)の情報を見ている
- クリック率のデータを利用している
- サンドボックスが存在する
その他の項目については「その他」で、箇条書きでご紹介します。
なかなか長い&専門用語がバシバシ出てくる文書でしたが、できるだけ噛み砕いてわかりやすく説明していきますので、ご安心くださいね!
ドメインパワーなるものが存在する
以前から、Googleは「検索ランキングを決定する上で、ドメインオーソリティは使用していない」と何度も述べています。
Googleのジョン・ミューラー氏も、YouTubeで「私たちにはウェブサイトの権威スコアはありません」と明言していました。
しかし実際には、流出した文書の中で「siteAuthority」という記述があり、これを用いてランキングを決定している、と記載があります。
多くのSEO担当者からすると「やっぱりそうか」と思われるかもしれませんが、Googleとして公式に認めた(というより流出した)のは初めてのことです。
また、ドメインパワーは被リンクの質とも関係しているとのこと。
高品質な被リンクが多いサイトは、高く評価され、これがランキングに影響することがわかっています。
さらに、ドメイン年齢(サイトを作ってからの期間)についても、Googleは確認しているようです。
ブラウザ(Chrome)の情報を見ている
Googleは、Chromeのデータをオーガニック検索の一部として使用していないと述べていました。
2022年にも、ジョン・ミューラー氏がこの考え方を補強する考えを示しています。
しかし今回流出したデータでは、Chromeから取得した情報について言及しているページがあり、データを保持していることが記載されています。
Google Chromeのデータが、ランキングシステムに反映されていることも明らかになっています。
ページビューとユーザーインタラクション
Googleは、ユーザーがChromeブラウザでどのようにウェブサイトとインタラクトしているかを追跡しており、ページビュー数、滞在時間、先ほどのクリックメトリクスなどが含まれます。
ChromeInTotal モジュール
リークされた文書には「ChromeInTotal」というモジュールが含まれており、これはGoogleがページの品質スコアの一部としてChromeビューの数を評価するためのものです。
特定のページがどれだけ多くのPVを獲得しているかを測定し、それに基づいてランキングに影響を与えるものです。
クリック率のデータを利用している
また、Googleが否定してきていた「クリックはランキングには使用しません」ということも、今回の流出により矛盾があると指摘されています。
実際には、以下に示すように、悪いクリック、良いクリック、最後の最長クリックなどは全て、重要な指標として考慮されているのです。
- badClicks(質の低いクリック)
- goodClicks(質の高いクリック)
- lastLongestClicks(検索結果が表示されて最後にクリックして最も長く滞在したページ)
- unsquashedClicks(特定の条件下で調整されていないクリックデータ)
さらに、この文書には、ユーザーを投票者として表し、そのクリックが投票として保存されている旨の記載がありました。
「滞在時間」という記載があるわけではありませんが、どの結果が最も長くクリックされたかも保存されているようです。
サンドボックスが存在する
サンドボックスとは、新しいウェブサイトが検索結果で上位表示することを防ぐための評価期間を表すSEO用語です。
Googleがサイトを評価している期間(サンドボックス)については、コンテンツが上位表示しづらくなります。
これは、スパムサイトがすぐに高いランキングを獲得することを防ぐための、検索エンジンにおける一種の試用期間だと考えられています。
しかしこれまで、Googleは「サンドボックス」の存在を否定してきました。
ジョン・ミューラー氏は、ランキングの対象となるまでにどのくらいの時間がかかるか、という質問に対して、「サンドボックスは存在しない」と明確に回答しています。(現在は削除済み)
しかし今回流出した文書によると、「hostAge」というパラメータが存在し、「新たなスパムをサンドボックスに隔離するために使用される」と記載されています。
そして、この期間中は「Googleとの信頼構築期間」だと考えられ、質の高いコンテンツや良質な被リンクの獲得などを通じて、信頼性を証明していく必要があると考えられます。
そのため、新しいサイトを立ち上げる際には、最初の数ヶ月間は上位表示を期待するのではなく、長期的な視点でGoogleから信頼されるようなコンテンツ作成をしていることが重要だと考えられます。
最初は上位表示が難しくても、良質なコンテンツを作り続けることが大事ということですね。
その他
その他についても、気になる項目を箇条書きしておきます。
- Google公式のE-E-A-Tについても多くを言及。専門性と権威性が大事なので、特に著者情報や参考文献は書いたほうが良い
- ランキングを維持したいのであれば、記事内に幅広いクエリ(キーワード)を使用してより多くのクリックを成功させ、より多様なリンクを獲得する必要がある
- アンカーの不一致は降格対象。ページ内に設置したリンクがリンク先コンテンツと一致しない、関連性がないのはNG
- ユーザーの不満が多い記事。検索意図に合わせ、満足度の高いコンテンツを作ること。
- ナビゲーションによる降格あり。おそらく、サイト構造の話…?ユーザーが使いづらいサイトは降格対象
- 製品レビューの降格。これに対しては具体的な情報はないものの、リストに記載あり。おそらく2023年の製品レビューアップデートについての話
- ポルノサイト、スパムサイトは降格対象
- 被リンクは、依然としてかなり重要だと思われる。(考察)これを反証する記述がないため。
- 階層の高いページや定期的に更新されていて情報が新しいページほど、高評価を受けやすい。新鮮なページは高評価と見なされる。リンクについても、ランクが高いページや、トップ層で紹介されているページのほうが好ましい。
- 全ての記事は、そのホームページのページランクに関連付けられる
- ホームページの信頼性があることが重要
- 記事内のテキストを太字にしたり下線を引いたり、フォントサイズが大きくするのもSEOに効果あり。Googleがそれらを追跡している。(リンクのアンカーテキストにおいても同様)
- 長いコンテンツ(記事)は一部が切り捨てられる可能性がある。この処理は、検索エンジンが長いコンテンツの最も関連性の高い部分を抽出しやすくするためと考えられる。そのため、作成者は最も重要なコンテンツを早期に配置する必要がある。
- 短いコンテンツ(記事)に対しては、独創性に基づくスコアが与えられている。スコアは0~512の範囲で評価され、短くても高品質であるコンテンツが適切に評価される仕組みになっている。必ずしもコンテンツの量を確保しなければならないということはない。
- ページタイトルとコンテンツの中身に乖離がないかが重要。一致率を判定し、Googleが価値を評価している。
- Googleは新鮮な検索結果に焦点を当てていることから、日付を重要視している。bylineDate(明示されている日付)、syntacticDate(URLまたはタイトルから抽出された日付)、semanticDate(ページ内のコンテンツから派生した日付)などを使用して、コンテンツがどれだけ新しいかを評価しています。
- 動画に重点を置いたサイトは異なる方法で扱われる。サイトのページの 50% 以上が動画になっている場合、そのサイトは動画に重点が置かれていると見なされ、異なる方法で扱われる。
- YMYLについては特別に採点されている。YMYLを判定するスコアがあり、YMYLかどうかの判定を行っている。
- Google は意図的に小規模サイトを攻撃している可能性がある。Google には、サイトが「小規模な個人サイト」であることを示す特定のフラグがある。
- ページの更新頻度も見られてる
このGoogle文書が必ずしも正しいとは限らない
ここまで、流失した内容についてご紹介しきましたが、この文書が真実を完全に反映しているとは限りません。
現在も、この文書の通りに運用されているとは限らないですし、他にもこれを補足する文書がある可能性も否定できません。
また、今回の流出を受けて、今後Googleの仕組みが変わる可能性も十分あります。
そのため、あくまで参考程度にしてください。
最初はGoogleもこの流出に関してノーコメントを貫いていたGoogleからも、以下のような注意喚起といえるコメントが発表されています。
文脈から外れた、古い、または不完全な情報に基づいて検索について不正確な推測をしないように注意します。検索の仕組みやシステムが重視する要素の種類について広範な情報を共有し、検索結果の完全性を操作から保護するよう努めています。
Google responds to leak: Documentation lacks context
Gooogleの内部文書流出を受けての今後の対策7選
とはいえ、この文書が公式のものであるなら、これに基づいて対策を考えていくことは重要でしょう。
以下に、具体的な7つの対策を記載しました。
質の高い被リンクの獲得
今回文書の内容を考慮すると、質の高い被リンクの獲得がSEOに好影響をもたらすことが考えられます。
同業界において権威的な企業や団体からリンクをもらうことで、ランキング向上が見込めるでしょう。
また、リンクを受ける際には、
- できるだけトップの階層で紹介されているページを指定する
- リンクとリンク先の内容を一致させる
ということも重要だと考えられます。
また、権威的な企業や団体以外にも、被リンクされることには一定の効果が見込めるため、紹介したくなるような質の高いコンテンツ作成も重要といえるでしょう。
重要なコンテンツを早期に配置
長文コンテンツは一部切り捨てられる可能性があることを考慮すれば、早期に重要な情報(結論)を配置することが求められます。
選定キーワードや検索ニーズから、読者の知りたい情報をページ序盤に置くことです。
これにより、読者の満足度が上がることはもちろん、Googleに対しても一定のアピールになるでしょう。
また、Googleはユーザー行動というのを見ています。
そのため、小手先のテクニックだけに固執するのではなく、ユーザーが本当に満足するコンテンツ(ラストサーチになる記事)を作成すること大事といえるでしょう。
クリック率の改善
Googleから高い評価を獲得するためには、「クリック」が大切ということでした。
そのため、検索一覧に表示された際に選ばれるよう、タイトルの質を向上させることが大事です。
グーグルサーチコンソールを使えば、タイトルのクリック率を確認できますので、クリック率が低い記事は改善するといいでしょう。
一方で、Googleはページタイトルとコンテンツの中身を一致させることを重要視しています。
そのため、釣りタイトルのようなものは避け、本文の内容とタイトルに乖離がないようことです。
定期的な更新で最新の状態を保つ
Googleが記事の最新性を大切にしていることから、定期的にコンテンツの見直し(リライト)が効果的と考えられます。
書いたら書きっぱなしにするのではなく、情報が更新されたら、都度新しい内容を加えるようにしましょう。
また、新しく記事を作成する際にも最新情報を盛り込むで、他のライバルと差別化し、Googleにアピールすることです。
適度に装飾する
記事内のテキストを太字にしたり下線を引いたり、フォントサイズが大きくするのもSEOに効果あるとされています。
そのため、読者に見やすいように適度に装飾をほどこすといいでしょう。
また、箸休め的に画像や写真を入れていくのもおすすめです。
これらは、読者がだれるのを防ぎ、コンテンツからの離脱を抑制する効果が期待できます。
スマホからの見やすさを意識する
離脱率を抑えるという観点では、スマホからの見やすさ(モバイルフレンドリー)にも気を配りたいところです。
特に、スマホユーザーが多いサイトでは、この対策は必須といえます。
コンテンツを作成したら必ずモバイルから確認し、見づらい、表示速度に問題があるという場合は改善するようにしましょう。
新サイト開設後はGoogleからの信頼獲得を第一に
今回、サンドボックスなるものが存在することが確認できました。
そのため、新サイト開設後は上位表示することよりも、Googleからの信頼獲得のために良質なコンテンツの作成を心がけましょう。
良質なコンテンツは、外部からの被リンクにも繋がりやすく、これがサンドボックス期間の短縮化に貢献する可能性もあります。
著者情報(運営者情報)についても、忘れずに記載しておきましょう。
Googleが専門性を重視していることから考慮すると、何かに特化していることをアピールするのもいいかもしれません。
あとがき
非常に長くなりましたが、最後までご覧いただきありがとうございました!
Google検索の内部文書流出は、SEO業界にとって大きな転換点となる出来事ですが、冷静に向き合い、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを作成していきましょう。
あなたのコンテンツ作成のお役に立てると嬉しいです。
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